「薬用養命酒」も「みりん」もれっきとしたお酒
世の中にはいろいろな種類のお酒が製造・販売されていますが、中には「これってお酒なの?」と思うものもありませんか。
たとえば、ドラッグストアなどでもよく見かける医薬品「薬用養命酒」とか、料理に使う「みりん」とか。
今回は、「薬用養命酒」や「みりん」について、詳しく解説します。
薬用養命酒について
「薬用養命酒」は、嗜好的な酒類とは異なります。漢方医学の考え方に基づいて造られた、滋養強壮・健康増進を目的とした伝統的な薬用酒で、第2類医薬品に分類されます。
酒税法の分類では、リキュールです。
アルコール分は14%で、日本酒やワインと同程度含まれています。正真正銘のお酒ですので、20歳未満の未成年は服用できません。
「薬用養命酒」は、生薬を所定の方法であらかじめ配合してから、原酒に浸漬して熟成させる「合醸法」という製法で製造されている、特徴的な薬酒です。
14種類の生薬由来のシナモン系の独特な香りと、やさしい甘みが特徴です。
1回あたりに飲む分量は20mlで、カロリーは約40kcal、糖質は約6gです。
1日3回、食前または就寝前に服用するのが基本の用法とされています。
みりんについて
料理で使われる「みりん」は、酒税法で「混成酒」に分類されるお酒です。
製造するのにはもちろん、販売するにも免許が必要となります。
今は料理用のみりんを、飲料用としてガブガブ飲む人はいないと思いますが、実は江戸時代にはみりんが飲用されてきた歴史があります。
ちなみに、スーパーなどでよく見かける、ラベルに「みりん風調味料」などと書かれている商品は、酒税がかからないようにアルコールを1%未満に抑えて製造している、「みりんもどき」のものもあります。
通常の「みりん」は、度数14%前後のアルコールと約40~50%の糖分を含んでいます。
みりん風調味料と区別するために、「本みりん」と表記して販売しているメーカーが多く見られます。
「薬用養命酒」や「みりん」を摂取する際の注意点
「薬用養命酒」や「みりん」は、どちらもれっきとした正真正銘のお酒です。運転前の服用はNGですので、うっかり飲酒運転とならないようくれぐれも気を付けてくださいね。
また、下記に該当する人は自己判断せずに、摂取して良いかどうか医師や薬剤師または登録販売者に相談しましょう。
- 妊娠中、授乳中、または妊娠していると思われる人
- 病気療養中、アルコールとの併用に注意が必要な薬を服用している人
- 飲酒に関する注意を受けている人
- アルコールに過敏な体質の人
「薬用養命酒」は口当たりが良いため、一般的に嗜好品として楽しむリキュール類のように水割りやソーダ割、ロックなどで飲んだことのある人もいるかもしれません。
しかし、「薬用養命酒」は本来、滋養強壮や健康増進目的で、規定の量を守って少しずつ服用するために造られた薬用酒。
「体に良さそうだから」「美味しいから」といって、一度にたくさん飲むのは危険ですのでやめましょう。本来の薬効が期待できなくなるので、他のお酒とチャンポンするのもNGです。
そして気になるお酒の賞味期限はこちらで詳しく紹介していますので、今保存しているお酒が気になる方はチェックしてみてくださいね!
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