「ビール」と「発泡酒」と「第3のビール」の特徴から見る違いとは?

麦

「とりあえずビール」なんて言われるほど、宴会で最初の乾杯ドリンクとして飲まれることも多いビール。

最近では、ビールの他にも、発泡酒や「第3のビール」と呼ばれるものも大手メーカーからいろいろな種類が販売されていますよね。

普段の晩酌には値段の安い発泡酒で、ちょっといいことがあった時はご褒美的にビールを飲む、といった声もよく聞きます。

今回は、ビールと発泡酒、第3のビールの特徴と違いについて解説していきます。

「ビール」の特徴

ビール
ビールを作るために必要な主原料は、ご存じの通り「麦芽」です。

麦芽にホップと水を加えて発酵する、もしくはその他規定の範囲内で副原料を加えて発酵させて作られます。ビールの最大のおいしさは、やはり麦芽由来の苦味やコクですよね。

ビール特有の苦味や喉越しの良さ、鼻に抜ける香りはたまりません。

一般的なビールの場合、100mlあたりのカロリーは40kcal程度です。

使用できる副原料については、これまで麦、米、とうもろこし、馬鈴薯などに限定されていたのですが、2018年4月からの税制改正によって、麦芽重量の5%の範囲で、果実、コリアンダーなど、風味づけに使われる香辛料が新たに追加されました。

POINT

小麦を原料としたホワイトビールや、コリアンダーで風味をつけたビールは税制改正前は発泡酒扱いでしたが、正式なビールと定義されることになったのが大きな変化です。

「発泡酒」の特徴

発泡酒
発泡酒は、麦芽または麦を原料の一部として作られる発泡性のある酒類のことを指します。

ビールとの違いは、麦芽の比率によって区別され、それぞれ税率が異なります。

発泡酒には、カロリーや糖質、プリン体の含有量を制限した商品が多数販売されています。

ビールとは違い、麦芽の含有量や副原料に細かいルールがない発泡酒では、カロリーをコントロールした製品を作りやすいのが特徴です。健康志向の人にとっては、豊富な選択肢があるのが嬉しいですね。

発泡酒といえば、ビールよりも安いというイメージが強い人が多いと思います。

でも、実際には必ずしもそうではありません。日本の酒税法では、麦芽比率によって販売価格が変わってきます。

POINT

分類上は発泡酒であっても、麦芽比率が高いものはビールと変わらない値段になることも多く、例えば、最近話題のクラフトビールなどは、一般的なビールよりも高いものもよく見かけます。

「第3のビール」の特徴

第三のビール
第3のビールには、大きく分けて次の2つの種類があります。

  • 「その他の醸造酒(発泡性)」 … 麦、麦芽を使っていない
  • リキュール類(発泡性) … 麦芽比率50%未満の発泡酒と麦由来のスピリッツを合わせたもの

これら2つを合わせて、「新ジャンル」と呼ばれることもあります。

特にリキュール類に分類されている第3のビールは、軽やかな飲み口のものが多く、ビール特有の苦味やコクは苦手だけれど、ビールテイストなお酒を飲んでみたいといった人には、飲みやすく感じられるのではないでしょうか。

ビールが苦手な人にこそおすすめなのが、第3のビールです。

大きな違いは“麦芽比率”

麦
ビール、発泡酒、第3のビールの大きな違いは、原材料の麦芽比率にあります。

現在の税率は、ビールが最も高く、次が発泡酒、そして第3のビールの順となっています。

かつてビールは、麦芽の比率が67%以上のものと定められていました。
ところが、2018年4月1日施行となった酒税法の改正によって、この比率が大きく変わりました。

現在、ビールと定められる具体的な条件は、

  • 麦芽比率50%以上
  • 副原料の重量が使われている麦芽の5%以内であること

となっています。

また、発泡酒は「麦芽比率が50%未満のもの」と定められました。現在、大手ビール会社から出ている発泡酒のほとんどは、麦芽の比率が25%未満です。

そのため、税制改正後も引き続き発泡酒として販売されています。中には、これまで麦芽比率の違いにより発泡酒に該当していたものが、酒税法での定義が変わったことによって、ビールに名称変更されたものも一部存在します。

現在の発泡酒の定義は、

  • 麦芽比率50%未満
  • 麦芽比率が50%以上の場合、ビールでは使用できない副原料が使われているもの
  • 麦芽比率50%以上の場合、規定量を超えて副原料が使われているもの

となっています。

クラフトビールなどが、発泡酒に分類されながらも比較的高い価格帯で販売されている理由は、ビールには使用できない副原料が使われていて、麦芽比率が50%以上という2つの条件が重なっているためです。

第3のビールについては、麦や麦芽を一切使用していなくても問題ありません。

かなり自由度の高いお酒だと言えます。

生ビールの生の意味についてはこちらで解説しています!

2026年10月には3つのビールの酒税額が一本化される

酒税
これまで麦芽比率の違いによって税率が異なっていたビール、発泡酒、第3のビールですが、実は2020年から6年かけて発泡酒と第3のビールの酒税額は少しずつ引き上げられ、ビールの酒税額は引き下げられます。

そして、2026年10月には3つのビールの酒税額が一本化されることになっています。

ビールよりも安いことを大きな売りにしてきた発泡酒や第3のビールにとっては、実質的に大幅な値上がりだと言えます。

今後は、価格ではなく味わいの好みや健康志向などで選ぶ傾向が強まりそうですね。

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