「生ビール」の“生”とは?ドラフトビールってどんなビール?

ドラフトビールと生ビール

ビールは缶タイプ、瓶タイプ、飲食店などでビールサーバーから注がれるものなどいろいろありますよね。これらは全て生ビールなのでしょうか。

今回は、そんな知っているようで知らない、生ビールの定義やドラフトビールとの違いについて解説します。

生ビールは『非加熱製法のビール』のことを指す

生ビール
ビールは、酵母菌の発酵作用によってできるアルコール飲料です。

発酵が終了した後にも酵母があると、いつまでも発酵が継続してしまいます。ビールの風味や品質保持のためには、発酵の役目を終えた酵母を取り除く必要があります。

日本の「生ビール」は、フィルターでろ過することによって酵母を取り除いただけで、低温加熱処理をしていないビールのことを指します。

容器が缶か瓶か、ビールサーバーで注ぐかには関係なく、製造工程で加熱処理をしていない非加熱製法のビールは、全て生ビールということになります。

ドラフトビールも生ビールと同義

ドラフトビールと生ビール
日本では、ドラフトビールと生ビールは同義で使われます。

その理由は、「ビールの表示に関する公正競争規約」で、「熱処理をしていないビールでなければ、生ビールまたはドラフトビールと表示してはならない」と定められているからです。

しかし、これは日本固有の表示ルールであり、世界共通のルールではありません。

ただしドラフトビールの定義は国によって異なる

日本では、ドラフトビールと生ビールは同義で使われていても他国ではどうでしょうか?
世界有数のビール大国「ドイツ」と「アメリカ」を例に挙げてみましょう。

ドイツ

「樽出し」のビールのことを「ドラフトビール」と呼んでいます。瓶ビールや缶ビールは、「ドラフトビール」とは呼びません。

アメリカ

ドラフトビールの明確な定義がなく、アメリカを代表するビールブランド「ミラー」の「ミラージェニュインドラフト」は、日本と同じく熱処理していないビールを「ドラフトビール」と呼んでいます。

しかし、熱処理をしているビールであっても「樽出し」のビールならば「ドラフトビール」と呼ぶ場合もあるようです

ビールと発泡酒の違いはこちらのページでくわしく解説しています!

熱処理ビールも存在する

大手ビールメーカーがつくる大半のビールが熱処理をしていない「生ビール」ですが、熱処理したビールも販売されています。下記の銘柄が有名です。

1. 『サッポロラガー』

引用:https://www.sapporobeer.jp/product/beer/lager/
ラベルに描かれている、北極星を表す赤い星のデザインが印象的なサッポロラガー。

「赤星」という愛称で親しまれています。
厚みのある味わいが特長で、今も製造・販売されている日本のビールブランドの中では、最も長い140年以上の歴史を持つロングセラーです。瓶入りで主に業務用として販売されています。

2. 『キリンクラシックラガー』

引用:https://www.kirin.co.jp/products/beer/lager/products/

コクと苦みにこだわり抜いた、伝統的で本格的な味わいの熱処理ビールです。
ラガーと言えばキリンというほど、苦味を重視する人に好まれています。瓶タイプ、缶タイプ両方で販売されています。

実は、私の父は昔からこの銘柄が大好きで、実家にいた頃はよく一緒に飲んでいました。

私にとって、キリンクラシックラガーの苦味は、懐かしい父を思い出す味です。

3. 『アサヒスタウト』

引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/beer/stout/

英国スタイルの熱処理ビールです。コクと甘味がある濃厚な味わいと黒みがかった濃い色味が特長で、スタウト特有の香りも楽しめると人気があります。缶タイプはなく、瓶のみの販売です。

生ビールとドラフトビールについて解説しました。
ぜひいろいろ飲み比べながら、それぞれの違いをじっくり味わってみてくださいね。

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